探偵になりたい

探偵

探偵は長い間小説や映画、ドラマなどで定期的に取り上げられてきたので、 殺人事件を解決する、悪の組織と戦うような探偵のイメージはわりとポピュラーな存在なのではないか、と思います。

しかし、このように多くの方に知られている探偵のイメージと、実際の職業としての探偵はかなり異なっています。

職業としての探偵になりたいという方へ探偵がどんなものなのか、探偵になる前に知っておくと良いことやアドバイスなどを書いてみたいと思います。

1.探偵になる方法

まず「そもそも探偵になるにはどんな方法があるの?」と思われるでしょうが、主に下記の3通りの方法があります。

  1. ①探偵事務所に採用される
  2. ②探偵学校に入学する
  3. ③探偵事務所を開業する

①探偵事務所に採用される

メリット:
すぐに探偵として働けて経験が積める、給料がもらえる

デメリット:
事務所によっては違う仕事をやらされる可能性がある、「見習い」などのため十分な給料をもらえない、知識が全くない状態からなので苦労する、休みや休息が十分に取れない可能性がある

②探偵学校に入学する

メリット:
働く前に探偵の仕事の知識やノウハウを身につけられる

デメリット:
お金(授業料)がかかる、学校によって内容や質に差がある

③探偵事務所を開業する

メリット:
自分の好きなように探偵の仕事ができる

デメリット:
知識やノウハウがない場合は仕事が上手くできない、宣伝資金や人脈がない場合は全く仕事が取れないリスクが高い

それぞれのメリット・デメリットについて

探偵を募集している探偵事務所に採用されればすぐに探偵として働くことはできます。

但し、知識やノウハウがない状態では誰だって苦労しますし、職場環境はそれぞれの探偵事務所によって異なるため、事前にご自身で描いていた探偵像とは異なってしまうケースも多いかもしれません。

一方、探偵学校では事前にノウハウを学ぶことができますが、少々懸念される点があります。

探偵学校は探偵の養成が主目的ではなく基本的にビジネスであること、自社経営の探偵学校卒業を就職条件にしているケースがあること、などです。

入学にはもちろん「お金」が必要で少なくとも40~50万円くらいはかかりますし、それぞれ授業の期間や質にも違いがあると思います。

自分で開業する場合は探偵業法で規定された届出が必要になりますが、それほど複雑な手続きではありません。

小説に出てくるような「私立探偵」に憧れる方は開業して事務所を構えれば少しは雰囲気を味わえるかもしれませんが、一つ言えるのは上記3通りの方法の中で、ノウハウもなく自分でいきなり開業して成功することが最も難しいであろうということです。

 

2.興味を持つと良い事

探偵になる前から興味を持っておくと良いことには、主に以下のようなものがあります。

  • 人間観察
  • カメラ撮影
  • 車の運転
  • 電車の路線や道路などの地理
  • 男女関係
  • 民事トラブル

単に「尾行してみたい」という理由で探偵になってみたい方もいるかもしれませんが、実際の尾行では対象者の観察や撮影も行わなければなりませんので、人の観察やビデオカメラの撮影に慣れていると有利です。

車やバイクの運転に慣れていた方が尾行手段が増えますし、調査員は仕事上の移動も多いので、地理や路線に詳しいと尾行だけでなく役に立ちます。

また、探偵の仕事には浮気問題や民事トラブルに関する相談が多いので、男女問題や民事トラブルに関心を持っておいたほうが良いと思います。

逆にこれらに全く興味が持てない、苦手、嫌い、という方は、現実の探偵には向いていないかもしれません。

 

3.女性で探偵になりたい場合

探偵に男性・女性のどちらが良いなどは特にないと思いますが、現状で経営者や調査員はおそらく8割くらいが男性であり、相談員のみに限れば女性の数もかなり多くなるのではないでしょうか。

しかし「相談員」だけの役割はあまり一般的な探偵のイメージに近いとは言えず、より探偵らしく思われる「調査員」ではまだまだ少ない状況と言えます。

なぜ女性探偵や調査員は少ないのか?

はっきりとした理由はわかりませんが、まず、女性より男性の方が探偵に興味を持ちやすい傾向があるように思います。

また、新人探偵になって経験するのは通常は尾行・張り込みといった調査員の仕事からです。この調査員の仕事は体力的にとてもハードな仕事となることがあります。

長時間の尾行・張り込みで単純に時間が長いということが辛かったり、暑い、寒い、空腹、睡魔、疲労などが辛くて耐えられない、という人も少なくはありません。

忍耐が必要かつ肉体労働であり、長時間になれば体力の消耗が激しく、どちらかというとやはり女性のほうが耐えられない人が多いと思います。もちろん男性顔負けの女性探偵もいますが…

女性が向いていないわけではない

では、女性は探偵に向いていないのか?というと、決してそんなことはないのです。

体力的な面では男性有利とはいえ、実際のところ、尾行・張り込み・聞き込みにおいては女性のほうが「怪しまれにくい」という傾向があり、これは探偵の仕事においてはかなりの長所となります。

ストーカー事件の影響や、変質者や犯罪者に男性が多いことから、どうしても男性の方が怪しまれやすいんですよね。

「怪しまれないようにする」ということが実はそれほど簡単ではなく、どんなにベテランで上手い探偵でも怪しまれてしまう状況もあります。

そういう状況では元から怪しまれにくい探偵は女性の方が有利です。